ベネッセパレットの介護食研究会
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介護の基礎知識

混ぜて冷やすだけで美味しい! 嚥下食のデザートレシピ

食事が積極的に進まないという方でも、デザートなら食べたくなるという方は多いものです。そこでカンタンに作れるデザートレシピと、忙しい時に手軽に提供できる市販のデザートをご紹介。また介護食におけるデザートの重要な役割や、デザートを提供するにあたっての注意点も解説します。

みなさまが普段接している入院患者やご入居者。加齢や体調の変化などで食欲が落ちていても、デザートなら召し上がられるということはありませんか。この記事では介護食におけるデザートの重要な役割を解説するほか、カンタンに作れるデザートレシピと手軽に提供できる市販のデザートをご紹介。デザートの提供にあたっての注意点も併せてお伝えします。

目次index

1. 嚥下食として喜ばれるデザートとは?

多くの方に喜ばれるデザートですが、種類によっては入院患者やご入居者にとって飲み込みにくいものもあります。大切なことは、噛む・飲み込む力が弱っている方のために、舌でつぶせて飲み込みやすい形状のデザートを選ぶことです。以下の4タイプが、嚥下食デザートとしておすすめです。
ムース:どなたにも食べやすい、ふんわりとした口当たり。
プリン:懐かしい定番の味。卵と牛乳でたんぱく質補給も。
ゼリー:つるんとしたのどごしで、水分補給にも。
果物 :すりつぶすなどして、提供すると食べやすいです。

おいしくてカンタン!デザートレシピ

混ぜて冷やすだけ!おいしくて飲み込みやすいデザートレシピをご紹介します。カンタンでおいしい一品を、ぜひ一度お試しください。

レシピはこちらからご覧ください。

手軽に提供!デザート商品ピックアップ

「デザートを提供したいけれど、忙しくて手が回らない...」とお困りでしたら、市販の介護食用のデザートを活用する方法も。おいしさと飲み込みやすさだけではなく、栄養にも配慮されている商品などがあります。

【おすすめデザート商品4選】

商品名

販売元

特徴

補給できる栄養

簡単デザートの素 

デザート&ムース

https://www.food-care.co.jp/product/fiber/dm/

   

株式会社フードケア

牛乳と混ぜるだけで簡単にできるデザートの素です。8種類(オレンジ・パイン・いちご・バナナ・ピーチ・ぶどう・メロン・りんご)のバリエーション。

【学会分類2021 嚥下調整食1j

食物繊維、たんぱく質など

やさしくラクケア 

やわらかプリン カスタード味

https://www.b-style-msc.com/SHOP/11652.html

 

ビースタイル本店

濃厚でほどよい甘さ。調理は不要、容器からそのまま提供可能です。

【ユニバーサルデザインフード:舌でつぶせる】

たんぱく質など

栄養補助デザート 

和みのひとさじシリーズ(マンゴーゼリー)https://gyoumudesserts-gyoumusweets.com/service/item-522/

業務用デザート・業務用スイーツ.com

トロピカルな味わいが楽しめる冷たいデザート。自然解凍後、容器からそのまま提供できて便利です。病院・医療用施設食品

1日分の亜鉛、11種類のビタミンが摂れる

ぎゅっと完熟味わい林檎

https://yasashiidessert.com/SHOP/2080001.html

 

やさしいデザート.com

冷凍のカットフルーツが、口の中でとろけるユニークな食感です。必要な分だけ出して提供できます。

【ユニバーサルデザインフード:舌でつぶせる】

鉄分

2. 介護食におけるデザートの役割とは?

一般的に、デザートは、嗜好品として楽しむものですが、介護食におけるデザートの役割は、入院患者やご入居者に食べる楽しみをもたらすのみならず、栄養補給や水分補給に役立てることができます。

食べる意欲を引き出す

年齢を重ねても、心を弾ませるデザート。おいしいだけでなく、可愛らしい見た目や香り、なめらかな舌触り、一緒に食べる人との会話など、五感をフルに使って堪能できるのはデザートならではの特長と言えます。だからこそ、デザートは食欲が落ちてしまった方の「食べる意欲」を引き出す力を持っています。さらに季節や行事にちなんだデザートは、懐かしい思い出を呼び起こすことも。デザートの提供は、入院患者やご入居者の毎日のアクセントにもなり、心の栄養ともなるのです。

不足しがちな水分を補給できる

成人の体は約60%が水分ですが、高齢になると約50%まで減少するといわれます。その上、高齢になると喉の渇きを感じにくくなったり、頻尿を気にして水分を控えたりと、様々な理由で水分不足になり脱水状態に陥ることもあります。そんな時、ゼリーやくだものなどのデザートは、水分補給として役立ちます。

栄養を補い低栄養を防ぐ

食べる力の低下により食事量が減ると、生きるために必要なエネルギーやたんぱく質が不足し、低栄養に陥りやすくなります。すると体力だけでなく体の抵抗力も衰え、病気にかかるリスクが増えてきます。デザートはそんな場面でも役立ちます。特にプリンやヨーグルトムース、豆乳ゼリーなどは、卵や牛乳、ヨーグルト、大豆に含まれるたんぱく質を無理なく摂取ができるため、低栄養の予防や改善にもつなげられのです。

3. 嚥下食としてデザートを提供する時の注意点

デザートを提供するにあたっては、いくつかの注意点があります。たとえば、デザートの取り過ぎです。デザートを摂りすぎると糖分や脂肪の過剰摂取になり、栄養のバランスが崩れます。入院患者やご入居者にとっての基本は、3度の食事であることを忘れないようにしましょう。他にも知っておきたい注意点をご紹介します。

召し上がる方の飲み込む力を把握する

デザートの種類によっては、飲み込みにくいものがあります。入院患者やご入居者ひとりひとりの嚥下機能をしっかりと把握し、その方の嚥下機能に合わせたデザートを用意しましょう。そこで、あらかじめ飲み込みにくい食材を避けることも重要です。

以下に、嚥下食として避けたいデザートをリストアップしたので、ご参考にしてください。

・嚥下食として避けたいデザート

1.パサつくもの...カステラ、クッキー、ビスケット類
水分が少なく、口の中でまとまらないため、飲み込みにくくなります。
2.弾力があるもの...こんにゃくゼリー、玉こんにゃく
噛み切れないうちに飲み込んでしまい、窒息のリスクが高くなります。
3.辛味・酸味が強いもの...辛い菓子、酸っぱいゼリーや柑橘類
食べているうちに「むせ」を誘発してしまいます。
4.粘り気が強いもの...もち、大福、団子
噛み切れず大きな塊のまま喉に入り、窒息するリスクが高くなります。
5.張り付きやすいもの...ウェハース、海苔、もなかの皮
上あごや喉に張り付き、張り付きやすくなります。
6.かたいもの...乾パン、ナッツ類
口の中でバラバラのかけらになります。
7.粉をまぶしたもの...きなこもち、砂糖をまぶした菓子類
粉が喉に張り付き、「むせ」を誘発してしまいます。

【まとめ】

高齢の方は筋力低下による運動量の減少、内臓機能の低下、嗅覚や味覚の衰え、歯を失うなど口腔状態の変化など、さまざまな要因で食欲が低下していきます。

あくまでも基本は三度の食事ですが、どうしても食事が進まない場合は、口にしやすいデザートが食欲を取り戻すきっかけになることでしょう。「食べる」ことは単なる栄養補給だけではなく、心も満たし生きる活力を養うために大切です。ゆったりと味わうことで、気分転換や生活の中の楽しみとなるよう、デザートをご活用ください。

※記事中の写真・イラストは全てイメージです。

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この記事の監修

栄養士

下口 貴正

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

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