2025 06 . 25
パン粥いつもの味に一工夫!パン粥のアレンジ方法
パン粥は、嚥下機能が衰えてきた方でも安心して食べられる嚥下食(介護食)の一つです。パンに水分を加えることで、口当たりがやわらかいことが特徴です。シンプルなのに高栄養なため、介護現場でもざまざまに活用されています。今回はパン粥のアレンジの仕方をご紹介します。
パン粥と聞くと離乳食をイメージする方も多いかもしれませんが、実は病院や高齢者施設などで提供される介護食としても活用されています。パン粥は調理の中でも比較的作るのが容易で、栄養価が高いため、食事量が減ったり、そしゃく嚥下機能が弱った方の食事として使いやすいのが特徴。一方で、主食として提供し続けると、味に飽きてしまうことも。今回はパン粥を飽きずに続けられるポイントをお伝えします。

目次index
1.パン粥の特徴
パン粥とはパンに牛乳や豆乳などの水分を加えて煮込んだ料理のこと。病院や高齢者施設などで、そしゃく嚥下機能が弱った方にしばしば提供されます。
本来パンは、水分量が少なく、むせや誤嚥の危険性があるため、そしゃく嚥下機能が弱くなった方には大変危険だとされています。とはいえ、パンは主食として栄養価も高いため、活用したいところ。そこで水分量を増やして、パン食の危険性を回避したのがパン粥です。
パン粥について、もっと知りたい方は以下の記事もご確認ください。
「【高齢者向け】パン粥とは? 基本の作り方とポイントをご紹介」はこちら
2.パン粥は栄養面でも良いの?
パンはそもそもエネルギー量が高くたんぱく質やミネラルも豊富な食材です。さらにパン粥は牛乳や豆乳などを加えるため、カルシウムや鉄、亜鉛なども摂ることができ、栄養不足になりがちな高齢者にとって最適です。またアレンジすることで、必要な栄養素をさらにプラスして補え、栄養価をより高めることができます。
3.おすすめパン粥アレンジ
前述したように、パン粥はエネルギー量やたんぱく質、さらにはミネラルが高い介護食です。しかし、基本のパン粥だけでは十分な栄養を補給するのが難しく、毎回同じ作り方では、食べる方も飽きてしまうでしょう。
そこでオススメなのが、パン粥のアレンジです。
アレンジ1.パンの種類を変える
手軽にできるアレンジとして、パンの種類を変えることがあります。
パン粥には食パンを用いることが多いですが、食パン以外のパンを使うと、異なる味わいや香りを楽しめます。
例えば、ロールパンを使うと、食感は食パンと近くやわらかですが、食パンと比べほのかに甘味を感じられます。
またバターロールを用いれば、食パンを使ったものより脂質が多いパン粥となります。脂質が多いとエネルギー量があがるため、量が不足しがちな方にオススメです。
ただし、メロンパンやフランスパンなど、パサつきやボソボソとしたかけらが出やすいものはパン粥には向かないため、避けたほうがよいでしょう。
アレンジ2.浸す液を変える
アレンジの2つめは、浸す液を変えることです。
パン粥はパンを牛乳や豆乳に浸すのが一般的。でも、毎日続くと味に飽きがきてしまいますし、牛乳や豆乳がそもそも苦手という方もいるでしょう。そんな場合は、浸す液を変えるのがオススメ。
浸す液には、コーンスープ、クリームシチュー、ビーフシチュー、トマト缶などがあります。基本的な作り方は同じですが、もともと味付けがされているため、仕上げに砂糖を加える必要はありません。ぜひお試しください。
アレンジ3.出来上がりにトッピングする
パン粥のアレンジの最後は、出来上がりにトッピングをすることです。
基本のパン粥の出来上がりは、一見すると真っ白でなんだかわかりづらく、食欲がわかないという方もいます。そうしたときに役立つのがジャムなどのトッピングです。
イチゴジャムの赤色や、マーマレードジャムの黄色が加わることで、パン粥全体が色鮮やかになり、見た目もよくなります。ジャムに限らず、栄養価の高いハチミツもオススメです。出来上がりにのせるだけなので簡単なうえ、食欲もわきやすくなるでしょう!
※記事掲載のイラスト・写真はすべてイメージです。
この記事の監修

栄養士
下口 貴正
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。