ベネッセパレットの介護食研究会
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高齢者の栄養

通販で手軽に始める嚥下食・介護食!冷凍・レトルト・市販商品の選び方と活用法

嚥下食や介護食を通販で手軽に取り入れる方法を紹介。冷凍・レトルト・市販商品の特徴や選び方、日常の食事での活用法まで、家庭や施設での調理負担を減らしながら安全でおいしい食事をサポートします。

高齢者やそしゃく・嚥下(えんげ)機能が低下した方の食事は、安全面だけでなく「食べやすさ」「栄養面」「見た目」など、さまざまな工夫が必要です。最近では、こうしたニーズを踏まえ、調理済みの嚥下食や介護食を通販で手軽に購入できるようになり、家庭でも取り入れやすくなっています。
ここでは、通販で購入できる嚥下食・介護食の種類や選び方、活用法をご紹介します。

目次index

通販で嚥下食・介護食を選ぶメリット

通販を利用すれば、外出が難しい方でも自宅で簡単に商品を選んで注文できます。最近ではスマートフォンやパソコンなどからも手軽に注文できるうえ、指定場所まで届けてくれるので、忙しい時も活用しやすく、介護現場でも便利です。

さらに、通販を活用することで次のようなメリットがあります。

1. 手軽に受け取れる

注文した商品は自宅や施設まで宅配で届くため、食材の準備の手間を減らせます。必要な量や種類をまとめて管理でき、日々の食事準備の負担も軽減されます。

2. 食べる方に合わせたやわらかさを選べる

通販の嚥下食・介護食は、食べる方の状態に合わせて「やわらか食」「ムース食」「ペースト食」など、バリエーション豊かに取りそろえられています。例えば、噛む力が弱い方にはやわらか食を、ほとんど噛めない方にはムース・ペースト食をなど、その方の状態に合わせて食形態を選べるため、安心して食事を楽しめる環境が手軽に作れます。

3. 温めるだけで簡単!介護や調理の負担を減らせる

多くの商品は調理済みで、電子レンジや湯せんで温めるだけで食べられます。一から調理する手間が省けるため、調理負担を大きく減らせます。

施設では補助食や個別対応食としても活用でき、限られた時間の中で安全でおいしい食事を提供する手助けになります。

高齢者向け冷凍弁当の活用メリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
忙しい施設必見!高齢者向け冷凍宅配弁当サービスの導入5つのメリットと活用法

通販で購入できる嚥下食・介護食の種類

通販では冷凍・常温・チルドなど、保存方法や用途に応じて選べる商品があります。

冷凍タイプ

調理した食材を急速冷凍するなど、風味や栄養を保ちながら、必要な分だけ解凍して利用できるのが特徴。食品ロスを抑えながら長期保存も可能です。日々の置き換えや補助食としても使いやすく、定期利用を活用すれば管理もしやすくなります。

レトルトタイプ

常温のため、冷凍庫のスペースを気にせず保管でき、非常時や一時利用にも便利です。市販品の多くが小分けパックになっており、少量ずつ使えるため、一人暮らしの高齢者にも使いやすくなっています。

チルドタイプ

嚥下食の通販には、できたてに近い風味と自然な食感を保つ冷蔵のものもあります。冷蔵配送のため賞味期限は比較的短めで、配送当日中の利用がメイン。スチーマーなどで温めるだけで提供できるお弁当容器型も多く、配膳などの提供がしやすいのも特徴です。

高齢者宅配弁当の選び方や、施設導入時の注意点については、こちらの記事も参考にしてください。
 「高齢者向け宅配弁当の選び方|施設導入の際のポイント

嚥下食・介護食の購入方法

嚥下食・介護食は、手軽に購入できる通販やカタログ通販のほか、少量であれば一般市販品をスーパーやドラッグストアなどから入手することもできます。
●通販サイト:まとめ買いや定期購入が可能で、施設まで届けてもらえます。配送頻度は毎日・週1・月1など商品やサービスによって選べます。
●カタログ通販:介護食専門のカタログなら、複数商品を比較しやすく、電話やハガキでの注文も可能です。
●スーパー・ドラッグストア:レトルト商材など一部の商品が購入できます。ただし、施設利用などで日常的に利用する場合は、通販利用が一般的です。

生活スタイルや介護の状況に合わせて購入方法を選べば、無理なく続けられ、日々の食事準備の負担も軽減できます。

栄養バランスややわらかさなど、通販での嚥下食・介護食の選び方

商品を選ぶときは、食べる方の状態や栄養管理、調理の手軽さを考えることが大切です。

やわらかさ・形態

食べる方のそしゃく力や嚥下状態に合わせて選びます。主に以下の3つに分かれます。
●やわらか食:やわらかく、歯茎でつぶせるタイプ
●ムース食:舌でつぶせるなめらか食感
●ペースト食:噛まずに飲み込める形態

状態に合ったやわらかさを適切に選ぶことで、安全においしく食べられます。

栄養バランス

高齢者は食事量が減りやすく、たんぱく質やエネルギー不足になりがちです。カロリー、たんぱく質、塩分のバランスを確認し、栄養士が監修した商品を選ぶと安心です。

味・食感・彩り

見た目や味も重要です。最近の嚥下食は、通常の料理に近い見た目で彩りも豊かに仕上げられています。見た目や香りを工夫することで、食欲を引き出し、食事の時間を楽しくできます。

保存性・調理の手軽さ

冷凍・冷蔵・常温など保存温度帯を確認し、利用環境に合うものを選びましょう。温めるだけで提供できる商品なら、介護現場や忙しい家庭でも無理なく使えます。

商品の選び方や導入のポイントについては、こちらの記事も参考にしてください。
高齢者向け宅配弁当の選び方|施設導入の際のポイント

味や品質にこだわった嚥下食・介護食

最近では、味や見た目にこだわった商品も増えています。食材本来の風味や彩りを活かした商品は、見た目の美しさや香りが満足感を高め、食べる方も介助者も食事の時間を楽しめます。
しっかり食べられることで栄養状態の改善にもつながり、健康維持にも役立ちます。

栄養失調の要因や対策についてはこちらの記事もご覧ください。
高齢者の栄養失調が起こる要因と対策

見た目・食感・彩りのポイント

ポイントを以下にまとめています。参考にしてみてください。
●見た目:通常の料理に近い形状を選ぶと、心理的にも食べやすい印象に。
●食感:ムース状やソフトタイプなど、形を残しつつ安全に食べられるものを。
●彩り:明るい色合いの食材や盛り付けを意識し、食卓に華やかさをプラス。

介護現場での活用ポイント

通販で購入できる嚥下食・介護食は、家庭でも施設でも、手間を減らしつつ安全で栄養バランスのとれた食事を提供できるのが特徴です。

ここでは、在宅介護と介護施設での具体的な活用方法をご紹介します。

在宅介護

通販嚥下食を使えば、調理の手間を減らしつつ安全な食事を提供できます。介護者のストレス軽減にもつながり、心の余裕を保ちながら介護を続けやすくなります。

介護施設

大量調理の補助や、個別対応食としても便利です。利用者一人ひとりに合わせた食事形態を簡単に提供でき、厨房業務の効率化にも寄与します。

高齢者宅配弁当の施設導入時の注意点については、こちらの記事も参考にしてください。
高齢者向け宅配弁当の選び方|施設導入の際のポイント

【まとめ】通販で安心・おいしい嚥下食の取り入れも検討してみましょう

通販で手に入る嚥下食・介護食は、忙しい家庭や介護現場の強い味方です。温めるだけで食べられる手軽さに加え、栄養バランスや味・見た目の楽しさも兼ね備えています。
調理負担を軽減しながら、嚥下食のバリエーションが増える通販を利用することで、毎日の食事をより楽しむことができます。

※記事掲載のイラスト・写真はすべてイメージです。

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この記事の監修

栄養士

下口 貴正

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

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