2025 12 . 31
高齢者の栄養ミキサー食の人気おすすめレシピ!家庭・施設で簡単に作れる肉・魚・野菜・デザートをご紹介
ご家庭や施設で簡単に作れるミキサー食の人気レシピをご紹介。主食から肉・魚・野菜・デザートまで、嚥下しやすくなめらかに仕上げるコツや、とろみのつけ方、盛り付けのポイント、時短アイデアもご紹介します。

そしゃく・嚥下力が弱った方でも食べやすいミキサー食は、食材をなめらかに整えることでそしゃく・嚥下の負担を減らした食事形態です。ご家庭でも施設でも取り入れやすく、主食からデザートまで幅広い料理に応用できます。
この記事では、毎日の献立に取り入れやすいミキサー食の基本ポイントやレシピ例をご紹介します。
目次index
家庭・施設で作りやすいミキサー食のポイント

ミキサー食をおいしく仕上げるには、いくつかの基本ポイントを押さえておくことが近道です。
食材選び
基本はやわらかくなる食材を選ぶことです。肉は脂肪分が適度にあるやわらかい部位、魚は白身、野菜は煮てやわらかくなるもの、果物は熟して甘みがあるものを選ぶと、なめらかに仕上がります。
加熱方法
食材は「蒸す・煮る・ゆでる」によってやわらかくすることで、ミキサーで撹拌(かくはん)しやすくします。加熱すると、なめらかさや舌触りも向上し、ご家庭や施設でも扱いやすくなります。
とろみ調整・食感の調整
ミキサー食は、だしや牛乳、豆乳などの液体を用いてなめらかにします。嚥下状態に応じて片栗粉や市販のとろみ調整剤を取り入れ、液体に程よいとろみをつけることで、嚥下のしやすさを向上します。また、ゲル化剤を加えると、型に入れて形を保持したり、口の中でまとまりやすくすることができます。
味付け
だし汁やハーブ、スパイスで風味を補うことで、素材の旨味を活かしながら飽きにくい味付けにできます。野菜や果物の自然な甘さを活かすと、砂糖を控えてもおいしく仕上がります。
盛り付け
盛り付ける器の色や形を少し変えるだけでも食事の印象が大きく変わります。さらに、色味の強いにんじんやほうれん草のミキサー食を添えると自然な彩りが加わり、食欲をそそる仕上がりになります。
さらに詳しくミキサー食のポイントを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
「【ミキサーを使った嚥下食】初めてでも失敗しない!作り方・食材の選び方・コツまとめ」
「見た目にもおいしい!ミキサー食の盛り付け例を紹介!」
ペースト食との違い
ミキサー食とよく似た食形態として「ペースト食」があります。目的や状態、仕上がりなどが異なるため、区別して理解しておくと便利です。
詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
「ミキサー食とペースト食の違いとは? 特徴・作り方・用途のポイント」
家庭・施設で作りやすい!ミキサー食の人気レシピ
ここからは、毎日の献立に取り入れやすいミキサー食のレシピ例を、主食・肉・魚・野菜・デザートに分けて紹介します。ご家庭でも施設でも作りやすいものばかりです。
※すべてのレシピで、必要に応じてとろみ・ゲル化剤を加えて調整してください。とろみ剤の量は食材や種類、嚥下の状態に合わせて調整し、使用方法は各メーカー記載の指示に従いましょう。
■主食のミキサー食レシピ例
ミキサー粥
ご家庭や施設で定番の、なめらかで食べやすいミキサー粥。全粥をなめらかに整えることで、嚥下機能が低下している方でも食べやすくなる一品です。
〈作り方〉
1.全粥をミキサーに入れる。
2.なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●冷めた全粥を使う場合は、なめらかになりにくいため再加熱すると良い。
焼きうどん
うどんと野菜をやわらかくしてなめらかにした、嚥下しやすい焼きうどん風のメニューです。普段の食事に変化を出すレシピとして人気です。
〈作り方〉
1.焼きうどんを作る(フライパンに油をひき、豚肉、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、ゆでうどんの順に炒め、塩コショウで味を調える)。
2.焼きうどんとウスターソース、水を合わせてミキサーに入れる。
3.なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●ウスターソースをお好み焼きソース、しょうゆ味、和風だしベースなどに変えると味のバリエーションがさらに広がる。
■お肉のミキサー食レシピ例
やわらかチキン
鶏肉をなめらかにして提供しやすくしたミキサー食です。たんぱく質がしっかり摂れるため、栄養補給にも最適です。
〈作り方〉
1.鶏肉は皮を取り、日本酒と塩を軽く振って蒸す。
2.だし汁と一緒に蒸した鶏肉をミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
3.塩や醤油で味を調える。
ポイント
●鶏肉は、もも肉やむね肉など部位ごとに肉質(やわらかさ)が異なるため、部位によって加熱時間や水分量を調整する。
やわらかハンバーグ
調理済みのハンバーグをなめらかに整えたミキサー食です。世代を問わず人気メニューなのはもちろん、脂質、たんぱく質がしっかり摂れるのもおすすめポイントです。
〈作り方〉
1.ハンバーグとデミグラスソース、ウスターソース、水を合わせてミキサーに入れる。
2.なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●ソースをケチャップやホワイトソースなどに置き換えると、味の変化がつけやすい。
■魚のミキサー食レシピ例
やわらか焼き鮭
焼き鮭をミキサーにかけ、なめらかに整え、嚥下がしにくい方でも召し上がりやすくしました。鮭のやさしいピンク色が食欲をそそります。
〈作り方〉
1.皮と骨を取り除いた鮭を焼く。
2.焼き鮭と湯または温かいだし汁をミキサーに入れる。
3.なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●盛り付けるときに皮を添えると見た目が良くなる。その場合は焼いてから盛り付け、食べる際は外す。そのままだとぱさつく場合は、ゲル化剤などを追加するとなめらかになりやすい。
やわらかカレイの煮付け
煮付けたカレイをなめらかにした、嚥下しにくい方でも召し上がれる魚のミキサー食です。鮭よりなめらかになりやすいため、飲み込みに不安のある方は、まずはカレイから試すのがおすすめです。
〈作り方〉
1.カレイの煮付けを煮汁と一緒にミキサーに入れる。
2.なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●味や濃さを適宜確認し、必要に応じて煮汁やだし汁などで調整すると食べやすい。
■野菜のミキサー食レシピ例
やわらかほうれん草
ほうれん草の葉の部分を使った、なめらかで彩りの良いミキサー食です。盛り付けのポイントとしてお伝えしたように、メインの添え物としても重宝します。
〈作り方〉
1.ほうれん草の葉をやわらかくなるまでゆでる。
2.ミキサーにゆでたほうれん草の葉と湯またはだし汁、醤油や砂糖を入れて撹拌する。
ポイント
●ほうれん草の茎が入ると筋が残るため、葉の部分のみ使用する。
やわらかポテトサラダ
じゃがいもをなめらかにした、食べやすいポテトサラダです。ミキサーの加減で食感を調整しやすく、彩りを添えやすいのも◎。
〈作り方〉
1.ポテトサラダを作る(じゃがいもとにんじんをやわらかく煮て、きゅうりを塩もみし、マヨネーズと塩で味を調える)。
2.だし汁や水と一緒にミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●ミキシング後に味を確認し、マヨネーズや塩で調整する。
■デザートのミキサー食レシピ例
りんごとさつまいもの甘煮
りんごとさつまいもをなめらかにした、ミキサー食のデザートです。自然な甘みで、彩りもよく食欲をそそります。
〈作り方〉
1.りんごとさつまいもをやわらかく煮る。
2.ミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
ポイント
●シナモンで香りを加えたり、はちみつやレモン汁で風味を調整するのもおすすめ。
ミキサー食の時短アイデア

下処理や加熱をまとめて行い、小分け冷凍を活用すると準備がラクになります。また、市販のペーストや惣菜を適宜取り入れることで、忙しい日でも無理なくミキサー食作りができます。
冷凍ミキサー食の活用
作り置きを活用することで、調理の負担を減らせます。
〈準備の例〉
1.作ったミキサー食を小分けにして冷凍する。
2.必要な分だけ解凍して使用する。
ポイント
●彩りやトッピングを工夫すると、見た目も楽しめる。
●解凍後は軽く混ぜるとなめらかさが戻りやすい。
手作りと市販品の組み合わせ
手作りと市販の嚥下・介護食を組み合わせることで、時短で栄養バランスも保てます。
ポイント
●市販のペーストや惣菜をベースに利用する。
●足りない栄養や好みに応じて、手作りの野菜や肉のミキサー食を加える。
●盛り付けや彩りを工夫して、家庭らしさや食欲を引き立てる。
市販品には、ユニバーサルデザインフード(UDF)や特別用途食品などがあります。
選び方の参考が知りたい方は、以下をご覧ください。
「嚥下食の分類まとめ|学会基準と実務での活用」
【まとめ】毎日の食事に取り入れやすいミキサー食を目指して
ミキサー食は、食材のやわらかさやなめらかさを工夫することで、格段に食べやすくなります。特別な調理をしなくても、日頃の料理に少し手を加えるだけで、ご家庭でも施設でも継続しやすい食事を提供できます。
本記事では、主食からデザートまで幅広く活用できるものをご紹介しました。色合いや盛り付けを少しアレンジするだけでも見た目の印象がさらに良くなり、食べる楽しさを損なうことなく食事を提供できます。
日々の食事づくりの中で、無理のない範囲でアレンジしながら、召し上がる方が「また食べてみたい」と思えるようなミキサー食をぜひ取り入れてみてください。
※記事中の写真は全てイメージです。
この記事の監修
栄養士
下口 貴正
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。