ベネッセパレットの介護食研究会
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高齢者の栄養

【嚥下食コード3対応】家庭でもできる!やさしく食べられるレシピと調理のコツと注意点

嚥下食コード3で重要なのは舌でつぶせるやわらかさと食塊がうまく形成できること。家庭や施設で作れる主食・主菜・副菜のレシピ例と、食材選びや加熱・加工の工夫など、安全で食べやすい食事を作るポイントを解説します。

高齢者や嚥下機能に不安のある方にとって、安全に食べられる食事は毎日の生活の質(QOL)を左右します。嚥下食は0~4の段階に分かれており、中でも嚥下食コード3は、「舌でつぶせるやわらかさ」と「口腔内でまとめやすい食塊形成」が求められる段階です。 

この記事では、ご家庭や施設で実践できるコード3対応のレシピと、調理のコツを解説します。安全性に配慮しながら、食べやすくおいしい嚥下食を実現するためのヒントをご紹介します。

目次index

嚥下食コード3とは?誤解されがちなポイントに注意

嚥下食コード3は、単に「やわらかい」「とろみがある」という状態だけでは、安全基準を満たしません。見た目がやわらかくても、調理法が不適切であれば安全性が十分に確保できず、誤嚥のリスクが高まる可能性があるからです。

この嚥下食コード3とは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が作成した「嚥下調整食分類 2021」に基づく分類です。ご家庭や施設での調理の際は、この分類を参考に食材のやわらかさや食塊形成を工夫することで、より安全で食べやすい嚥下食を提供しやすくなります。

嚥下食コード3の基本:舌でつぶせるやわらかさと食塊形成

冒頭の通り、コード3は「舌で押しつぶせるやわらかさ」と「口の中でまとめやすい食塊形成」が基準です。この基準を満たすには、市販のとろみ剤を使って液体状にするだけでは不十分な場合があります。安全性を考慮して提供するためには、食材そのものの形状や水分量を適切に調整することが不可欠です。

嚥下食の全般を知りたい方は、「嚥下食の分類まとめ|学会基準と実務での活用」もご覧ください。
また、嚥下食コード3の具体例や調理ポイントは「嚥下食3(コード3)とは?嚥下調整食の分類と食事例&調理ポイント」の記事でも確認できます。

調理時に注意したいポイント

家庭や施設でコード3の嚥下食を作る際に注意したいポイントは、以下の4点です。

●食事全体でかたさや状態が異なる場合

水分を多く含むお粥やスープにとろみをつけても、具材のやわらかさが十分でないと、舌で押しつぶすことは難しくなります。とろみはあくまで補助的な役割であり、具材をやわらかくすることが大前提です。

●温度によってかたさが変わる場合

煮物やムースは、冷めると水分が蒸発してかたくなることがあります。そのため、提供時には舌で押しつぶせる状態を維持することが重要です。

●繊維が多く含まれる場合

にんじんや大根などをやわらかく煮込んでも、繊維が残っていると舌で押しつぶしにくく、飲み込みの負担になることがあります。そのため、必ず舌で押しつぶせる状態に仕上げることが重要です。裏ごしや細かく刻む、煮方を工夫するなどして、調理しましょう。

●見た目にわからない場合

ムースやミキサー食のように見えても、裏ごしが不十分で繊維質が残っていたり、形状が基準に合っていなかったりすると、誤嚥の危険があります。見た目だけで判断せず、必ず嚥下基準に沿った調理法を確認しましょう。

施設や家庭で取り入れやすい!嚥下食コード3の主なレシピ例

ここでは、コード3の主な主食・主菜・副菜の例をご紹介します。

主食の例:全粥・ゼリー粥・パン粥

●全粥

温かい状態で提供すると、舌で押しつぶしやすくなります。水分がサラサラすぎず、やわらかさが保たれるよう調整します。煮る途中で水分が足りなくなった場合は少しずつ加え、やわらかさを確認しながら仕上げましょう。

●ゼリー粥

お粥をミキサーで撹拌(かくはん)し、ゲル化剤で軽くかためた主食です。かためすぎずやわらかさを保つことがポイントです。水分が少ない場合は、舌で押しつぶせる程度のやわらかさに仕上がるよう、少しずつ水分を加えながら調整します。

詳しい作り方は、「嚥下食レシピ ゼリー粥基本の作り方からアレンジまで」をご覧ください。

●パン粥

食パンを牛乳や水でやわらかくした主食です。提供前にパンが十分に液体を吸ってやわらかくなっているか確認し、必要に応じて水分を少しずつ足しながら調整します。

詳しい作り方は、「【高齢者向け】パン粥とは? 基本の作り方とポイントをご紹介」をご覧ください。

主菜の例:和風ミートボール・豆腐グラタン

●和風ミートボール

やわらかく調理したミートボールをミキサーでペースト状にし、あんをかけて仕上げたムース食です。舌で押しつぶしやすく、口の中でまとめやすい食感になるため、嚥下食コード3に適しています。調理時は、ペースト状になるまでしっかり混ぜることがポイントです。

●豆腐グラタン

絹ごし豆腐を用いた、ご家庭で簡単に作れる嚥下食コード3対応の主菜です。薄く切った豆腐を電子レンジで加熱した後に、バターや牛乳、コンソメ、小麦粉を合わせて作ったソースと合わせることで、舌で押しつぶせるやわらかさと、口の中でまとめやすい食感に仕上がります。

副菜の例:かぼちゃのポタージュ・冬瓜汁

●かぼちゃのポタージュ

玉ねぎをバターで炒め、かぼちゃを加えて水でやわらかく煮ます。牛乳と一緒にミキサーでなめらかにし、チキンブイヨンや少量の砂糖・塩で味を整えると、やさしい甘みとコクのあるポタージュに仕上がります。

●冬瓜汁

冬瓜の皮を厚めにむき、小さくカットし、出汁とみりんや酒などの調味料で煮込みます。十分にやわらかくなったら煮汁ごとミキサーにかけ、舌で押しつぶしやすい程度のとろみのある食感に仕上げます。冷製でも温製でも提供できるため、季節を問わず食べやすい副菜です。水分量が多い場合や、やわらかさが足りない場合は、とろみ剤で調整し、舌で押しつぶせる状態にして提供しましょう。

使いやすい!嚥下食コード3対応の食材・調理器具まとめ

安全でおいしいコード3の嚥下食を作るには、食材の選び方と加工の工夫が欠かせません。

おすすめ食材と避けたい食材

●おすすめ食材
にんじん、かぼちゃ、豆腐、白身魚など、やわらかく調理しやすい食材

●避けたい食材

繊維を多く含む野菜、もち、ナッツ類など、舌でつぶしにくい食材
ミキサーや裏ごし器の活用テクと注意点
・ムラなく混ぜることで、舌でつぶしやすい均一な食感を作れます。
・裏ごし器や型を使うと見た目も美しく仕上がり、食欲を引き出せます。
※水分量を間違えると、べたついたり、かたくなることがあります。提供する際に舌で押しつぶせる状態になっているか確認しましょう。

より詳しく調理の工夫を知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
手作りできる嚥下食献立|家庭でもできる段階別工夫と調理のヒント
ミキサー食とペースト食の違いとは? 特徴・作り方・用途のポイント

【まとめ】レシピは「嚥下しやすさ×おいしさ×安全性」で選ぼう

嚥下食コード3は、単にやわらかくするだけでなく、「舌で押しつぶせる食感」と「口腔内でまとめやすい形状」に仕上げることが重要です。ご家庭や施設で提供される嚥下食は、食材選びや加熱・加工の工夫、提供前の確認を徹底することで、誤嚥リスクを抑えつつ、満足度の高い食べやすい食事が実現します。

紹介したレシピ例や調理のポイントを参考に、日々の食事でコード3レベルの嚥下食を安全に提供してください。

※記事掲載のイラスト・写真はすべてイメージです。

この記事の監修

栄養士

下口 貴正

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

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【参考文献】
日本摂食嚥下リハビリテーション学会|嚥下調整食分類 2021
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2021-manual.pdf

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