2026 03 . 11
介護の基礎知識嚥下調整食2(コード2)レシピ|なめらかに整える基本のポイントと作り方
嚥下調整食2(コード2)の基本とレシピ例を解説。なめらかに整えるための加熱・撹拌・水分調整のポイント、2-1/2-2の違い、仕上がりの確認方法までわかりやすく紹介します。

嚥下調整食2(コード2)は、なめらかでまとまりのあるペースト状の食形態です。食材を細かくするだけでは整わず、加熱や撹拌(かくはん)、水分調整によって状態を整えることが求められます。
本記事では、コード2の特徴や他コードとの違いを踏まえ、施設や家庭でも作りやすいレシピ例と整え方のポイントを紹介します。
目次index
「嚥下調整食2(コード2)」とは?
日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021(以下、学会分類2021)によると、コード2はピューレ・ペースト状の食形態であり、口腔内でばらつきがないことが基本です。スプーンですくえるやわらかさを保ちつつ、水のように流れすぎない状態が求められます。
また、コード2には、全体がなめらかで粒を含まない均質なもの(2-1)と、やわらかな粒がわずかに含まれる不均質なもの(2-2)があります。学会分類は食形態の基準を示したものであり、実際の調理では、その形態に近づけるよう加熱や撹拌、水分調整によって調整します。
コード2-1と2-2の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
「嚥下調整食2(コード2)とは? 2-1/2-2の違い・献立の考え方・形態調整のポイント」
【段階別】嚥下調整食のコード分類について
各コードは、食形態と口腔内での動きで段階的に分類されています。
●コード1:ゼリー・プリン・ムース状
→ 口腔内で崩しながら飲み込む形態
●コード2:ピューレ・ペースト状
→ 舌や下顎の動きでまとめて送り込む段階
●コード3:やわらかく形を保った状態
→ 舌と口蓋(こうがい)で押しつぶすことが可能な段階
●コード4:一定のそしゃくを伴うやわらかい食事へと移行した段階
よって、コード2は、形のあるものを押しつぶすコード3の前段階に位置付けられます。
コード3の具体的な特徴や献立例については、それぞれの解説記事で詳しくまとめています。
「嚥下食3(コード3)とは?嚥下調整食の分類と食事例&調理ポイント」
嚥下調整食2(コード2)の作り方と整え方のポイント

コード2の嚥下調整食の調理方法の基本は、食材を細かく切り、芯までやわらかく加熱することです。その後、ミキサーなどを用いてなめらかになるまで撹拌します。調理中の水分調整は少しずつ加えることがポイントです。水分が多すぎると流れやすく、逆に少なすぎるとまとまりにくくなるため、注意しましょう。
形態を安定させる場合は、あらかじめゲル化剤やとろみ剤を使用します。使用量や加熱温度は製品の表示に従うのが基本です。
嚥下調整食2(コード2)レシピ例|主食・主菜・副菜・デザート
ここでは、コード2のうち、よりなめらかに整えるコード2-1相当のレシピ例を紹介します。主食・主菜・副菜・デザートについてポイントを見ていきましょう。
主食の例:粥・食パン
■全粥
やわらかめに炊いた全粥を温かいうちにゲル化剤を加え、粒がなくなるまでミキサーで撹拌します。全体が均一になったのを確認してから器に移し、なめらかでまとまりのある状態に整えます。提供前に水分が過剰に流れていないか確認します。ミキサー粥の場合、粒が残らないものがコード2-1、残るものがコード2-2に分類されます。
基本のゼリー粥の作り方は、以下の記事をご覧ください。
「嚥下食レシピ ゼリー粥基本の作り方からアレンジまで」
■食パン
ミミ(耳)を切り落とした食パン1枚を、細かく切るか手でちぎって用意します。まずミキサーに水とゲル化剤を入れて撹拌し、そこに食パンと牛乳を加えます。パンのダマがなくなるよう、そのまま1分以上かけて全体がなめらかになるまでしっかりと撹拌します。
鍋に移して弱火でかき混ぜながら加熱し、全体がなじんだら器に移します。少し時間を置いてから、なめらかで流れすぎない状態に仕上げます。
基本のパン粥の作り方は、以下の記事をご覧ください。
「【高齢者向け】パン粥とは? 基本の作り方とポイントをご紹介」
主菜・副菜の例:肉料理
肉料理の中でも、煮汁を含む煮物は整えやすい料理です。肉じゃがの場合、煮汁を加え、全体をミキサーで十分に撹拌します。なめらかな状態になるまで整え、具材の形が残っていないか確認します。かために仕上がった場合、少量ずつ煮汁を加えてなめらかさを整えます。
ひき肉で調理する肉じゃがは、切り分ける手間がなく、撹拌しやすいのが利点です。肉を中心にすれば主菜に、野菜を多めにして少量を小鉢で添えれば副菜としても取り入れられます。用途に応じて分量を変えながら取り入れてみましょう。
基本の挽肉じゃがの作り方は、以下の記事をご覧ください。
「【肉を使った嚥下食レシピ】挽肉じゃが」
デザートの例:コーヒーゼリー
コーヒーにゲル化剤を加えて加熱し、なめらかで水分が流れすぎない状態に整えます。なめらかさの目安はスプーンですくったときに形を保ちつつ、口腔内で散らばらないことです。
嚥下食対応のコーヒーゼリーの作り方は、以下をご覧ください。
「【嚥下食デザート】ほろ苦コーヒーゼリー」
※嚥下調整食2対応レシピではないため、ゼラチンの代わりにゲル化剤を使うなど、固さや粒度などは召し上がる方に合わせて調整ください。
仕上がりの確認ポイント
コード2のメニューができたら、基準に合っているかを確認します。まず、スプーンですくったときに形態を保ち、傾けてもすぐに流れ落ちない程度のまとまりがあるかを見ます。同時に、皿の上で水分がにじみ出ていないか、粒やざらつきの有無も確認しましょう。
離水が見られる場合は、水分量や撹拌の状態を見直します。一方、ざらつきがある場合は、再撹拌や裏ごしで整えます。
嚥下調整食2(コード2)の献立の考え方
コード2でも、主食・主菜・副菜の基本構成は変わりません。ただし、ミキサーを使用する過程で水分を加えるため栄養素密度が低下しやすくなります。見た目の量に比べて栄養が薄まりやすいため、少量でもバランスを意識した献立づくりが大切です。
また、肉・魚・卵・大豆製品などを取り入れ、油脂も活用しながら全体を整えます。旬の食材を取り入れることで、味や香りに変化をつけることもできます。料理に応じて温度を調整することも、食べやすさにつながります。
より具体的な献立の工夫や、栄養素密度を意識した栄養管理については、以下の記事をご覧ください。
「嚥下調整食は栄養価が下がる?低栄養を防ぐ実践ポイント」
市販食品・既存メニューの活用方法

嚥下調整食は手作りだけでなく、スーパーのお惣菜や冷凍食品などを活用し、形状だけを整える方法もあります。家族と同じ献立をベースに取り分けて調整する、まとめて調理して必要な分だけ整える、栄養補助食品を組み合わせるなど、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
活用の流れ
1.取り分けた料理を、さらにやわらかく加熱する
2.ミキサーに入れやすい大きさに切る
3.十分に撹拌してペースト状にする
4.必要に応じて水分を調整する
5.まとまりが足りない場合は、温かいうちにゲル化剤を加え、ダマにならないよう整える
市販品を調整することで、調理の負担を抑えながら展開でき、提供を継続しやすくなります。また、形態調整が施された市販品や宅配サービスを取り入れる方法も選択肢の一つです。
市販の介護食の分類や特徴については、以下の記事も参考にしてください。
「通販で手軽に始める嚥下食・介護食!冷凍・レトルト・市販商品の選び方と活用法」
【まとめ】嚥下調整食2レシピを日々の食事に活かすために
嚥下調整食2(コード2)は、「なめらかさ」と「まとまりやすさ」が求められるペースト状の形態です。粒を含む場合でも、口腔内でばらつかない状態に整えます。
本記事で紹介したレシピ例のように、基本の整え方を押さえておくと、身近な料理もコード2相当に調整できます。ご家庭や施設の状況に合わせ、無理のない方法を取り入れていきましょう。
※記事中の写真・イラストは全てイメージです。
この記事の監修
栄養士
下口 貴正
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。
長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。