ベネッセパレットの介護食研究会
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介護の基礎知識

【初心者向け|嚥下調整食レシピ】コード2〜4の調理ポイントとおすすめ器具

嚥下調整食の基本と、家庭や施設で実践できるレシピ調整の考え方を解説。コード別の特徴、主食・肉・魚・野菜の調理例、飲み込みやすさを整える工夫まで、日常の食事づくりに役立つポイントを紹介します。

最近では嚥下調整食のレシピが身近になった一方で、それをそのまま再現しても、召し上がる方の嚥下機能や状態に適しているか判断するのは、容易ではありません。

本記事では、一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食分類2021」(以下、「学会分類2021」)に基づいて、レシピを見る際に押さえておきたい基本の考え方と調理のポイントを解説します。

目次index

嚥下調整食とは?レシピを見る前に知っておきたい基本

嚥下調整食とは、食材の形状やかたさ、粘度を段階的に調整した食事です。
ゼリー状やペースト状のものから、形をやわらかく保ったものまで、召し上がる方の嚥下機能に応じて提供することで、誤嚥やむせのリスクを抑えます。そのため、嚥下調整食向けレシピを確認する際には、完成した献立だけで判断せず、調理手順や仕上がりの状態がどのような食形態を想定しているかに着目することが大切です。同じ料理でも、つぶし方や水分量の違いで仕上がりや適切な段階が変わります。

嚥下調整食のコード分類(0~4)とレシピ調整の目安

学会分類2021では、嚥下機能の状態に応じて、嚥下調整食をコード0~4に分類しています。この分類を把握しておくことで、仕上がりの確認や形態の調整における目安になります。

●コード0:均質で、性状に配慮したゼリー状・とろみ水
●コード1:均質で、性状に配慮したゼリー・プリン
●コード2:ペースト状(粒なし・あり、まとまりやすい)
●コード3:舌でつぶせるやわらかさ
●コード4:箸やスプーンで切れるやわらかさ

ご家庭ではコード2~4の段階で調整することが多く、同じ料理でも「つぶす」「まとめる」「形を残す」といった工夫によって対応します。

詳しい分類や段階については、以下の記事も参考にしてください。
嚥下(えんげ)食とは? その必要性と分類について
嚥下食の分類まとめ|学会基準と実務での活用
嚥下調整食2(コード2)とは? 2-1/2-2の違い・献立の考え方・形態調整のポイント
嚥下食3(コード3)とは?嚥下調整食の分類と食事例&調理ポイント
嚥下調整食4(コード4)とは?他コードとの違い・献立例・注意したい食品をわかりやすく解説

嚥下調整食レシピに活用したい調理機器

嚥下調整食では、食材の形状やかたさを均一にするため、調理器具を用いて調整する場面が多く見られます。料理の内容や調理量に応じて器具を使い分けることで、レシピに近い仕上がりに整えやすくなります。

●ミキサー・ブレンダー

加熱した食材や汁物をなめらかなペースト状にする際に便利です。均一な口当たりに仕上げやすく、食べやすい状態に整えやすくなります。

●ハンドブレンダー

鍋や容器の中で使えるため、少量の調理や煮物・スープの仕上げにも向いています。使用後の片付けも比較的簡単で、少人数分の調整にも便利です。

●フードプロセッサー

食材を細かく刻んだり、ペースト状にしたりする際に使用できます。みじん切りやすりおろしにも対応でき、食材をまとめやすく、調理の自由度も広がります。

●離乳食用調理セット

小さめのすり鉢や裏ごし器がそろっており、少量を細かく調整したい場合に便利です。手作業で食感を整える場合や、一人分の調整にも適しています。

補足:
調理器具の種類によって対応範囲や仕上がりは変わるため、量ややわらかさを確認しながら調整することをおすすめします。

さらに詳しいポイントは、以下の記事も参考にしてください。
【嚥下食コード3対応】家庭でもできる!やさしく食べられるレシピと調理のコツと注意点
【ミキサーを使った嚥下食】初めてでも大丈夫!作り方・食材の選び方・コツまとめ
ミキサー食の人気おすすめレシピ!家庭・施設で簡単に作れる肉・魚・野菜・デザートをご紹介

食材別|嚥下調整食の作り方のポイント

ここでは、ご家庭でよく作られる料理を例に、コードごとのやわらかさや口当たりの調整方法を紹介します。各コードの特徴を把握したうえで、作りましょう。

主食レシピ例:お粥

●コード2(粒ありペースト状)

炊いた全粥をミキサーに入れ、とろみ調整剤を加えて撹拌(かくはん)する。粒が少し残る程度のやわらかさに仕上げる。

●コード3(舌で押しつぶせるやわらかさ)

炊いたお粥を用意し、必要に応じてミキサーで軽く撹拌して粒の大きさを均一にする。その後、とろみ調整剤を加えて混ぜ、スプーンで確認しながら、舌で押しつぶせるやわらかさに整える。

●コード4(箸やスプーンで切れるやわらかさ)

粒を残したやわらかめの全粥を用意する。炊き上げ後に軽く蒸らすと、より扱いやすいやわらかさになる。

肉料理のレシピ例:肉じゃが

●コード2(粒ありペースト状)

やわらかく煮た具材(じゃがいも・玉ねぎ・にんじん・ひき肉など)をミキサーに入れ、とろみ調整剤を加えて撹拌する。粒が少し残る程度に仕上げ、スプーンですくいやすく、かつ口の中でまとまりやすいやわらかさに調整する。

●コード3(舌で押しつぶせるやわらかさ)

やわらかく煮た具材と煮汁をミキサーで撹拌し、ゲル化剤を加える。中火でかき混ぜながら加熱し、沸騰直前で火を止めて型に流し入れ、冷蔵庫で冷やしかためる。

●コード4(箸やスプーンで切れるやわらかさ)

具材の形を残す程度にやわらかく煮る。煮汁や加熱の調整によって、スプーンや箸でほぐれるやわらかさに整える。

魚料理のレシピ例:焼き鮭

●コード2(粒ありペースト状)

蒸した鮭の身(皮・骨を除く)をミキサーに入れ、だし汁や水分と合わせて撹拌する。粒が少し残る程度のペースト状に整える。

●コード3(舌で押しつぶせるやわらかさ)

蒸した鮭の身(皮・骨を除く)をほぐし、温めただし汁とゲル化剤を加えてミキサーで撹拌する。舌で押しつぶせるなめらかなムース状に仕上げ、スプーンですくいやすく、口腔内でバラけないよう整える。

コード4(箸やスプーンで切れるやわらかさ)

鮭を簡単にほぐれる程度まで蒸し上げ、やわらかく仕上げる。

野菜料理のレシピ例:ゆでブロッコリー

●コード2(粒ありペースト状)

やわらかくゆでたブロッコリーと同量のだし汁をミキサーに入れ、とろみ調整剤を加えて撹拌する。素材の風味が感じられるよう、粒が少し残る程度のペースト状に仕上げる。

●コード3(舌で押しつぶせるやわらかさ)

やわらかくゆでたブロッコリーを温めただし汁と一緒にミキサーで撹拌する。さらにゲル化剤を加え、舌で押しつぶせる程度のなめらかなムース状に仕上げる。

●コード4(箸やスプーンで切れるやわらかさ)

ブロッコリーをやわらかくなるまでゆでる。

嚥下食献立の基本を押さえたい方は以下の記事もおすすめです。
手作りできる嚥下食献立|家庭でもできる段階別工夫と調理のヒント

見た目も工夫した嚥下調整食の盛り付けポイント

食材のやわらかさや形態を整えることは最優先ですが、盛り付けや彩りを工夫することで、食欲や食事の満足感も高まります。

●彩り:やわらかい野菜やフルーツを複数組み合わせ、色のバランスを意識する。
●高さや配置:ワンプレートに少し高さをつける、色ごとに分けて並べると食欲を刺激。
●トッピング:やわらかい野菜やペーストで模様を作ることで、口当たりを損なわず彩りが増す。

具体的な盛り付け例は、以下の記事も参考にしてください。
見た目にもおいしい!ミキサー食の盛り付け例を紹介!

飲み込みやすさを意識した調理上の注意点

嚥下調整食では、繊維が多い食材、ばらつきやすい食材は調整が難しい場合があります。やわらかくなりやすい食材を選び、出汁やとろみ調整剤を活用することで、食べやすく仕上げることができます。

具体的な食材選びや作り方のポイントは、以下の記事も参考にしてください。
ミキサー食とは?作り方のポイントや注意点を解説

【まとめ】嚥下調整食レシピを活用するために

嚥下調整食は、召し上がる方の嚥下状態に合わせて、食材のやわらかさや形を調整する食事です。必要に応じてミキサーやブレンダー、ゲル化剤やとろみ調整剤を活用すると、口当たりを整えやすくなります。

日々の食事では、一般的な献立のイメージにとらわれず、「舌で押しつぶせるか、または扱いやすいか」を意識して工夫しましょう。調理で迷った時や体調に変化がある場合は、医師や管理栄養士、言語聴覚士など専門職に相談しながら調理することをおすすめします。

※記事掲載のイラスト・写真はすべてイメージです。

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この記事の監修

栄養士

下口 貴正

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

長崎・福岡の病院厨房MG、本社勤務を経て、中四国エリア事業部長東海支店部長、京都支店長を歴任。
2013年よりベネッセパレット設立準備室へ異動し現在製造本部責任者として介護食・配食の製造に従事する。

【参考文献】
日本摂食嚥下リハビリテーション学会|嚥下調整食分類 2021

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